台場のホテル「グランパシフィック」で、製造メーカー主催の
講演会と商品説明会があると言うことで、久しぶりに昼間の
357で湾岸を走り始めた。
夕暮れや夜のハイウェイから見るのとは随分ことなる景色が
車窓を取り囲む。
くすんだ灰青色の空の下で埃っぽい空気の中をゆっくり進む
車は、スピードを無くした途端に鈍いエンジン音だけが頼りの
鉄の箱になる。
路肩に続く背高の金網フェンス越しに、建ち並ぶコンクリート
のビル群達が近づいて来る。
都心の高層ビルとは異なって見える人造の威圧感は、きっと
この土地の成り立ちがまだ「彼等」を飼い慣らす術を持てない
でいることの「証し」のようにも見える。。。
粗削りの荒野に聳え建つビル群の、人造の圧力から逃げるか
のように、信号機の青の向こうに見えて来たホテルに向かって、
エンジンを頼りに、僕はゆっくりとスピードを上げ始めた・・・